西湖のほとりにたたずむ歴史の街、杭州(その2.愛の国、杭州を体現した白蛇伝にも出てくる雷峰塔

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西湖のほとりにたたずむ歴史の街、杭州(その2.愛の国、杭州を体現した白蛇伝にも出てくる雷峰塔)

皆様、こんにちは!スマイル中国語教室のマーシーです。

 

 今週も杭州の特集の第2回目、西湖の南に立つ白蛇伝に出てくる雷峰塔についてお話します。

 

 雷峰塔は「雷峰夕照」として西湖十景に数えられており、特に夕暮れの風景が美しいとされています。最上階からは西湖の至る所から見ることができます。雷峰塔は明の時代に戦火で放火され、レンガの塔身のみが長い間、残っていましたが、雷峰塔のレンガが病気や安産に効果があるという伝説により、塔のレンガの破片が長い間に人々によって何度も持ちさられたことで脆弱になり、1924年に突然倒壊してしまったようです。現在の雷峰塔は鉄筋コンクリートで再建されたものですが、建物の地下は建設当時の遺跡が展示されています。

 

 この美しい雷峰塔は『白蛇伝』と呼ばれる中国古代の四大民間伝説に出てきます。中国でもそれぞれの時代や地域の民衆や作者の志向に合わせ、内容が大きく変わっている物語のようで様々な話の展開と結末があるようですが、元来の白蛇の妖怪の話が削除され、恋愛の部分に重点が置かれ、ハッピーエンドを迎えるものが好まれているようです。

 

 白蛇伝は日本でも有名ですが、日本が初めて製作した長編アニメでもあります。日本で作られた白蛇伝では許仙が小さいころ飼っていた白蛇が美女に化けて愛し合うラブストーリーです。ここでは中国の代表的なお話を紹介します。

 

 昔、二匹の蛇が山奥で寂しく、法術の修業を積みながら暮らしていました。千年を過ぎると二匹の蛇は「白娘子」「小青」という名前の美女とその侍女に変身し、人間世界の自由で幸せな暮らしを求めて西湖のほとりにやってきてました。

 

 清明節(中国のお盆に当たり、墓参りに行く習慣がある)の時に杭州城に許仙という若い男性が墓参りに行っていましたが、帰りに大雨に遭ってしまい、西湖を大雨の中、船で帰っていました。白娘子は許仙を見て一目惚れし、西湖の断橋のたもとで許仙に船に同乗させてもらえないかお願いして船に乗せてもらいました。岸に上がる時、雨がまだ降っていたので、許仙は傘を彼女たちに貸し、自分はずぶぬれになって家に戻りました。

 

 翌日、許仙は、傘を受け取りに白娘子のところに行くと、盛大なもてなしを受け、愛し合った二人はその日の夜の内に結婚式をあげます。しかし鎮江の金山寺の和尚である法海が、神通力によって白娘子が白い蛇の妖怪であることを知り、白蛇の妖怪と別れるように迫ります。許仙は妻が白蛇の化身だとは信じられなかったのですが、抑えきれず、白娘子に酒を飲ませると、白蛇の姿に変わってしまいました。

 

 法海は迷う許仙を出家させ、金山寺に軟禁します。白娘子は夫を取り戻しに行きますが、法海は罵った後、兵を呼び寄せて戦いを挑んできます。白娘子も蟹の将を呼び、長江を逆流させて金山寺を水に沈めて応戦しますが、法海に負け、小青とともに杭州に逃げ帰ります。

 

 許仙も戦いの間に杭州に逃げ戻っていましたが、白娘子たちと西湖の断橋で再会します。白娘子は許仙が法海の言葉を信じたことを責めますが、許仙は詫び、三人は和解します。これが『断橋相会』です。

 

 やがて法海が再びやってきて白娘子を雷峰塔に閉じ込めてしまい、この塔が倒れないかぎり彼女がお日様を目にすることはないと言います。しかし小青が法術を使って雷峰塔を倒し、白娘子を救い出します。この戦いに負けた法海は蟹の腹に隠れていましたが、白娘子がこの蟹を食べようと背の殻を剥くと中に「和尚の姿」のようなものが見えますが、これが法海でした。その後白娘子と許仙、そしてその子供たちはともに楽しく暮らし、二度と分かれ分かれになることはありませんでした。

 

 西湖で白蛇伝を想いながら雷峰塔から断橋を見る。まさに愛の国、杭州を体現したような場所ですね。

 


(西湖の南にある雷峰山上にある雷峰塔。高さ70m。977年創建。1924年に倒壊し、2002年に再建。)

 


(美しい石段を上っていきます。)

 


(石段には花が植えられており、きれいです。)

 


(雷峰塔のアップ。現在のものは再建されたもので鉄筋コンクリートでできています。)

 


(雷峰塔の地下に行きます。)

 


(現在の雷峰塔は鉄筋コンクリートで再建されたものですが、塔の地下には、当時の遺跡が展示されています。お賽銭も入れられています。)

 


(雷峰塔は明の時代に戦火で放火され、レンガの塔身のみが長い間、残っていましたが、雷峰塔のレンガが病気や安産に効果があるという伝説により、塔のレンガの破片が長い間に人々によって何度も持ちさられたことで脆弱になり、1924年に塔の基礎はその重みに耐えられず、突然倒壊してしまったようです。)

 


(残ったレンガ。)

 


(残るレンガ土台の史跡。)

 


(倒壊した塔の1階部分の石造り。『雷峰塔遺址』として省級の文物として保存されたもの。)

 


(雷峰塔から見た西湖。汪荘の庭園と建物です。敷地の先には西湖が広がります。)

 


(左手に呉山の塔、右端に浄慈禅寺があります。汪荘の敷地が下にあります。)

 


(西湖十景の「三潭印月」。三潭印月は西湖の真ん中に浮かぶ人工の島にあります。三澤印月とは月夜に船から湖面に映る月を見ると月が3つに分かれて見ます。この島の南側には3本の石灯籠が立っていて、中秋の名月には火がともされます。)

 


(西湖を区分するように伸びる、蘇東坡が築いたとされる蘇堤。蘇東坡は、北宋代の政治家、詩人、書家で、蘇軾とも呼ばれます。トンポーローを作った人としても有名です。)

 


(西湖十景の「三潭印月」。三潭印月は西湖の真ん中に浮かぶ人工の島にあります。西湖を浚渫した時の泥を使ったようです。)

 


(西湖十景の「断橋残雪」。西湖の東北に位置する断橋の雪景色のこと。有名な文学『白蛇伝』の舞台で途中で折れ曲がったような独特な形をしており、雪解けの頃には、橋がまるで途中で切れているように見えるようです。)

 


(南屏山の麓にある朱色の屋根の浄慈禅寺。西湖十景の一つ、『南屏晩鐘』でも知られる古刹です。日本の曹洞宗の本山でもあります。)

 


(中国の一元札。裏に描かれている周囲に立っている3本の石灯篭で、後ろにあるのが白蛇伝でも出てくる断橋です。)

 


(中国の一元札と白蛇伝でも出てくる断橋を撮り比べしてみました。)

 


(雷峰塔のアップです。)

 


(雷峰塔の美しい壁。)

 


(雷峰塔の下部の美しい彫刻。)

 


(雷峰塔の一階。ガラスでできたシースルーな造り。エレベータで最上階まで運んでくれます。)

 


(雷峰塔の一階。ガラスでできたシースルーな現在的建物です。)

 


(天井の蓮の彫刻。)

 


(エレベータで最上階まで運んでくれます。)

 


(古代の西湖の様子です。)

 


(雷峰塔の天井です。蓮の花を模したデザインのようです。)

 

 

 


(『雷峰塔重建記』の題が付いた大きな石碑。2002年の再建の時に造られたもの。977年、宋の時代に創建され、原名が皇妃塔であったこと等が記されている。)

 


(雷峰塔の入場門です。観光客が多いです。)

 


(雷峰寺の壁。)

 


(南屏山の麓にある朱色の屋根の浄慈禅寺。日本の曹洞宗の本山でもあります。)

 


(太湖石の置かれた庭園です。)

 


(太湖石の置かれた庭園です。)

 

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