楊先生の漢詩朗読(その34. 韋応物の詠んだ漢詩「秋夜寄丘二十二員外」)

スマイル中国語教室

楊先生の漢詩朗読(その34. 韋応物の詠んだ漢詩「秋夜寄丘二十二員外」)

皆様、こんにちは!スマイル中国語教室のマーシーです。

 

秋も深まり、肌寒くなってきましたね。しんと静まり返った秋の夜に故郷や懐かしい人に贈った韋応物の漢詩を中国語で味わってみたいと思います。

 

楊先生による秋夜寄丘二十二員外の朗読はこちらから

 

 

秋夜寄丘二十二員外 韋応物

 

憶君屬秋夜  

 

散歩詠涼天   

 

山空松子落   

 

幽人應未眠   

 

 

(書き下し文)

 

君を懐いて秋夜に属し

 

散歩して涼天に詠ず。

 

山空しくして松子落ち

 

幽人応に未だ眠らざるべし。

 

 

(現代語訳)

 

秋の夜に、丘家の二十二男である丘に手紙を出す 韋応物

 

こんな秋の夜は君に逢いたいけど、君はここにいない。

 

ひとり散歩して、薄寒い夜空の下、詩を口ずさむ。

 

山は、松の実が落ちるのが聞えるくらいに静かだよ。

 

こんな夜は君もきっとまだ眠らずにいることだろうね。

 

 

(解説)

 

 

韋応物は唐の詩人。若い頃は唐の玄宗皇帝に近衛士官として仕えました。

 

 

この詩は、蘇州にいた韋応物がある秋の夜、作者の親友である丘丹を思いやりながら詠んだものです。丘丹は遠く臨平山(現在の浙江省余杭市の北西)で隠棲生活を送っていました。

 

 

前半は作者自身の様子、後半は親友を想像しています。ひと気のない山で松かさの落ちる音がし、"君はいないけど、きっと世を憂えて、まだ眠らずにいることだろうね"と相手への想いを詠んでいます。秋の夜の寂しさと物思いにふける作者の想い伝わって来ますね。

 

 

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