楊先生の漢詩朗読(その49. 人の評価によらず、自分らしく生きる気持ちを詠んだ、王冕の漢詩「墨梅」)
こんにちは!スマイル中国語教室の楊 欣然です。
今日は、王冕が詠んだ漢詩「墨梅」を中国語で味わってみたいと思います。
(白文)
墨梅 王冕
我家洗硯池頭樹
朶 朶花開?淡墨痕
不要人夸顔色好
只留清気満乾坤
<書き下し文>
墨梅 王冕
我が家の硯を洗う地頭の樹
ただ 花開けば 墨痕 淡し
要めず人の顔色の好しきを誇る
只 留む清気の乾坤に満つるを
<現代語訳>
墨梅 王冕
わが家では、池のほとりの木の下で硯を洗う。
花が咲けば、梅の花びらに淡い墨の色
花の色を私は自慢したいと思っていない。
望むのは、清らかな香気が天地に満ちることだけだ。
(解説)
晋の書家、王羲之が、会稽山の麓の池で硯や筆を洗ったために、池の水が黒くなったという故事を踏まえた漢詩です。花びらに淡い墨の色とは、樹が墨を含んだ池の水を吸い上げているので、花びらに墨の色がにじみ出ているというのです。花の色がよいなどと人が褒めるのは必要とせず、梅の花の独自の香気が満ちていることが大事なのです。つまり人の評価によらず、、自分らしく生き、自分らしい素晴らしい花を咲かせることが大事であると言っているのです。