楊先生の漢詩朗読(その11 杜甫の「絶句二首其二」)
(春に花が咲く洛陽の風景。杜甫の故郷です。)
こんにちは!スマイル中国語教室の楊 欣然です。
今日は日本人にもお馴染みの中国の詩人、杜甫が詠んだ漢詩、五言絶句「絶句二首其二」を中国語で味わってみたいと思います。
絶句二首其二 杜甫
江碧鳥逾白
山青花欲燃
今春看又過
何日是帰年
(解説)
江碧鳥逾白
(白文読み)江(こう)碧(みどり)にして鳥 逾(いよいよ)白く
(現代語訳)川が青々と流れ鳥がそれを背景に白く見える。
山青花欲燃
(白文読み)山青くして花然(も)えんと欲す
(現代語訳)山は緑に染まり、花がまさしく開こうとする。
今春看又過
(白文読み)今春 看(みすみす)又(また)過(す)ぐ
(現代語訳)今年の春もこうして過ぎていく。
何日是帰年
(白文読み)何(いずれ)の日か是 帰年ならん
(現代語訳)いったい何時になったら故郷に戻れるのだろう。
8年間にわたった安史の乱が終結したものの、大小の争乱が続き、故郷の洛陽は安全に暮らせるような状況ではありませんでした。また、逃げ延びている蜀から洛陽までの道のりには盗賊がおり、家族を連れて移動するなど、とてもかなわないことでした。
春のうららかな気候の中、綺麗な景色だけども、私の故郷とは違う、ここは異国だ。ああ、いつになったら戻れるのかと故郷への想いを読んだ漢詩です。