楊先生の漢詩朗読(その32. 杜牧の詠んだ漢詩「山行」)
皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の講師、楊欣然です。
今日は杜牧の詠んだ漢詩「山行」を中国語で味わってみたいと思い出す。タイトルの「山行」は、山歩きのことで、ちょうど今頃、秋と冬の季節が交差する頃の山の景色が目に浮かぶ作品です。
山行 杜牧
?上寒山石径斜
白云生処有人家
停?坐??林晩
霜叶?于二月花
(書き下し文)
遠く寒山に上れば石径斜めなり
白雲生ずる処人家有り
車を停めて坐に愛す楓林の晩
霜葉は二月の花より紅なり
(現代語訳)
遠くの寒々とした山に登ると、石の混じった小道が斜めに続いている。
(霧のような)雲がかかるこんな所(高所)でも民家がある。
私は車を止めて、何気なく楓の林の夕暮れを眺めている。
霜がかかって赤くなった紅葉は、二月に咲く桃の花よりもずっと赤い 。
(解説)
杜牧は晩唐の詩人です。長安の名門の家に生まれます。25歳で進士に及第し、役人になりますが、出世とは縁がなかったようですが、非常に分かりやすい漢詩を作り、人々から愛されました。
ものさびしい秋の一日、山行(山歩き)した杜牧が、紅葉に感動して詠んだ漢詩です。「白雲」は、唐詩では、俗世間を離れた高雅な境地、隠逸の世界を表現するのによく用いられます。霜にうたれて色づいた楓の葉の紅を、旧暦二月の春の盛りの花よりも美しいと詠み、言われてみて、はっと気づく紅葉の美の素直な表現が素晴らしいですね。