楊先生の漢詩朗読(その35. 蘇軾の詠んだ漢詩「贈劉景文」)
皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の講師、楊欣然です。
寒くなりましたね。枯葉が増え、本格的な冬を迎えようとしているこの季節。しかし寒い中にも希望もあります。そんな漢詩を今日は紹介いたします。
贈劉景文 蘇軾
荷尽已無フ雨蓋
菊残猶有傲霜枝
一年好景君須記
正是橙黄橘緑時
(書き下し文)
劉景文に贈る 蘇軾
荷は尽きて 已に雨をフぐる蓋無く
菊は残われて 猶お霜に驕る枝あり
一年の好景 君須らく記すべし
正に是 橙は黄に橘は緑なる時
(現代語訳)
友人劉景文に贈る詩 蘇軾
蓮の葉はもう尽きて、雨を受けていた傘はない。
菊の花は傷んでしまったが、まだその枝は凛として霜を受けている。
一年で最も素晴らしい光景だと君よ、記憶してくれ 。
ほら柚子は黄色く、みかんは緑に輝いて、もう直ぐたわわに実る時だ。
(解説)
この漢詩は東蘇軾が55歳頃の作品で、冬の初期の頃、同年代で親しい友人だった劉景文という人に贈ったものです。
蓮の花、菊の花もすべて枯れてしまったが、柚子やみかんの木はこれから豊かな実を付けて輝くのだ、我々の人生も、これから実りの季節を迎えるのだよ、と言っているのです。
終わらない夜はない、必ず朝が来ます。頑張っていたらそのうち良いことがありますね。