楊先生の漢詩朗読(その46. 酒好きの杜牧がたわいのない想いを詠んだ、杜牧の漢詩「清明」)
皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の講師の楊欣然です。
今日は、杜牧の清明を中国語で味わってみたいと思います。
(白文)
清明 杜牧
清明??雨??
路上行人欲断魂
借?酒家何?有
牧童遥指杏花村
(書き下し文)
清明 杜牧
清明の時節 雨 紛々
路上の行人 魂を断たんと欲す
借問す 酒家は何処に有る
牧童 遥かに指す 杏花村
(現代語訳)
清明 杜牧
時は清明の時節というのに春雨がしとしと降りしきっている。
その中を歩いていると、侘びしさに心が折れそうになる。
私は尋ねる。「ちょっと君、居酒屋はどこだい」
牛飼いの少年は、はるか先の杏の花咲く村を指差した。
(解説)
中国では清明節(西暦で四月五日か六日)となると、暖かくなりますので郊外に散歩に出かけたり、墓参りをする習慣があります。
この漢詩が詠まれたのはそんなぽかぽかしてるはずの清明節の時期。春の花を愛で、お墓参りなどをしましたが、雨が降っています。さっさと帰ればいいものを、気分はすっかり沈んでしまいました。
そこで牛飼いの子供にに酒場の場所聞くと「あっちだよ」とひょいと指差した先には白い杏の花咲く村があったとさ・・・というようなお話なのです。
行った先は、酒好きの杜牧が想像した桃源郷だったのかも・・・たわいのないお話ですが、ゆっくり味わっていると、気持ちがゆったりしてしてくるようですね。