楊先生の漢詩朗読(その40. 爆竹を鳴らして新年を祝う様子を詠んだ、王安石の漢詩「元日」)

スマイル中国語教室

楊先生の漢詩朗読(その40. 爆竹を鳴らして新年を祝う様子を詠んだ、王安石の漢詩「元日」)

皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の講師、楊欣然です。

 

 

今日は今から950年ほど前の中国の春節の様子を詠んだ、王安石の漢詩「元日」を中国語で味わってみたいと思います。 爆竹を鳴らして新年を祝う風習は、今の中国に生きていますね。

 

楊先生による王安石の漢詩「元日」の朗読はこちらから

 

 

(白文)

 

 

元日 王安石

 

爆竹声中一歳除

 

春風送暖入屠蘇

 

千門万???日

 

総把新桃?旧符

 

(書き下し文)

 

 

元日 王安石

 

爆竹の声中一歳を除(つ)き

 

春風は暖を送りて屠蘇(とそ)に入らしむ  

 

千門万戸 ??(とうとう)たる日 

 

総て新桃(しんとう)を把(と)って旧符に換ふ

 

(現代語訳)

 

 

元日 王安石

 

爆竹の音を聞きながら一年を送り、

 

暖かい春風のなか、屠蘇を飲む。

 

払暁の陽光が家々を照らす。

 

皆、旧い桃符を新しいものに取り換える。

 

(解説)

 

 

王安石(1021〜1086)は、臨江郡(現在の江西省清江県)の人で、北宋の政治家で、詩人でもありました。王安石の時代の北宋は北方異民族に対する莫大な事費等や高級官僚の給与ので歳出が多く、国家財政は破綻の危機に見舞われていたため、改革に情熱を持っていた王安石に皇帝は改革を一任しました。彼の取った財政再建は、中小農民・商人を救済することであったが、大地主・大商人たちの利益を制限する ことでありましたが、政策が“性急すぎる”として抵抗する人々の圧力により 王安石は解任され、地方へ左遷されてしまいました。

 

 

 この詩は王安石が副宰相に昇進し、国造りに取り掛かるときに詠んだ漢詩です。新年の喜びと、新しい出発を喜んでいる様子が見てとれる明るい漢詩ですね。

 

因みにこちらは春節の爆竹の様子です。

 

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