楊先生の漢詩朗読(その24. 秋の訪れを感じられる孟 浩然の「初秋」)

スマイル中国語教室

楊先生の漢詩朗読(その24. 秋の訪れを感じられる孟 浩然の「初秋」)

こんにちは!スマイル中国語教室の楊 欣然です。

 

まだ暑さは残るものの、夜は涼しく、鈴虫の鳴き声が響き、秋の訪れを感じられるようになりました。

 

今日は秋というには早いですが、孟 浩然が詠んだ漢詩「初秋」を中国語で味わってみたいと思います。

 

楊先生の漢詩「初秋」の朗読はこちらから。

 

 

初秋 孟浩然

 

不覚初秋夜漸長

 

清風習習重淒涼

 

炎炎暑退茅斎静

 

階下叢莎有露光

 

 

 

(書き下し文)
初秋 夜漸く長きを 覚えず

 

清風 習習として 淒涼を重んず

 

炎炎たる暑さ退き 茅斎静かに

 

階下の叢莎に 露光有り

 

(現代語訳)
夜が徐々に長くなって、秋の訪れにも気づかず。

 

さわやかな風がそよそよ吹き、静けさが大事に思われる。

 

炎のような暑さが退いて、わび住まいも涼しく

 

階段の草むらに、露の光をみとめる。

 

 

 

(解説)
孟浩然は盛唐時代の代表的詩人です。40歳ごろ科挙を受験するも落第し、郷里に戻ります。一時期招きで任官するも辞し、江南地方を放浪して一生を終えました。

 

面接を飲み会のためにドタキャンして任官の話をダメにしたり、玄宗皇帝の前で不平不満を詩に詠んで見放されるなど、出世には縁が無かったものの、その漢詩には高い評価が与えられています。

 

この初秋の漢詩、及び以前このコーナーで朗読させていただいた春暁の漢詩など、孟浩然の漢詩は自然を歌った名作が多いです。世捨て人で仙人のような生活環境にあったからこそ、自然を読んだ素晴らしい漢詩が多いのかもしれませんね。

 

 

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