楊先生の漢詩朗読(その37. 杜牧の詠んだ漢詩「獨酌」)
皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の講師、楊欣然です。
これから本格的な冬を迎えますね。冬の夜の独りの寂しさが感じられる杜牧の漢詩"獨酌"を中国語で味わってみたいと思います。
獨酌 杜牧
窗外正風雪
擁爐開酒缸
何如釣船雨
篷底睡秋江
(書き下し文)
獨酌 杜牧
窗外 正に風雪
爐を擁して 酒缸を開く
何如ぞ 釣船の雨
篷底 秋江に眠るに
(現代語訳)
ひとり酒 杜牧
窓の外はちょうど吹雪のまっただ中、
こんな日には炉端に火を入れて酒瓶のふたを開けよう。
どうだい、秋雨の頃に釣り船の中
川で眠るのと比べてみるのは。
(解説)
前半は杜牧の状況を詠んでいます。窓の外は風混じりの雪でかなり寒いため、炉のある部屋で体を温めていますが、一人お酒を開けると身も心もぬくぬくしてきました。
後半は、風雪の中、船にいる漁師のことです。船の中で眠るのですが、こちらも不思議と寒さを感じません。暖かい室内でお酒を一人飲んでいる自分と、船にいる漁師。どっちがいいのか・・・と決めつけず、それぞれの置かれた状況について感慨に耽っているのです。