学校外の教育参加が世界第1位の中国
皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の林恩です。毎年9月1日になると中国の小学校では夏休みが終わり、新学期がスタートします。保護者は子供が家からいなくなることで、ホッと息抜きでき、子供たちに毎日のお稽古をさせることで休むことができます。今日は中国のお稽古についてお話いたします。
お稽古は保護者にとって大型の現金シュレッダーのようなものです。休みの期間中、子供をお稽古へ送るのが中国の家庭の新しいルーチンとなっています。ある母親のインターネットの家計簿では数学五輪(注1)、英語、レゴブロックを使ったプログラミング教育(注2)、海外留学等により夏休みだけで約7万元(日本円で約100万円)以上を計上しています。さらに交通費と飲食費を加えると、少なくとも約8万元(日本円で120万円弱)が必要になります。
子供たちを遊ばせたことで他の子供に負けることないようにするため、夏休みは親同士の労力と財力の競争の場となっています。 1時間数百元のピアノ、ダンス、そして書道美術のクラスを保護者が負担し、子供の教育のため、1日に4~5回、1週間に6から7日間のレッスンに保護者は全てを注ぎ込みます。
(中国の子供の夏休みの日課。朝早くから塾が始まり。帰るのは夜遅くなります。)
HSBC銀行の2017年グローバル教育報告書によると、中国は学校外の教育参加で世界第1位、中国人の保護者は平均42,892元(約64万円)を子どもの教育のために負担しているとのことです。この金額は世界で第6位になります。中国の家庭では年収の20%以上を教育に費やしています。 就学前から大学まで、中国の保護者は子供に様々なお稽古や塾に行かせねばならず、これらの教育をすることで本当に効果があるのかはわかりませんが、今日の社会の過酷な競争に勝ち抜くために親も容赦なくせざるを得ないのです。
(中国は学校外の教育参加で世界第1位です。)
(中国の家庭では年収の20%以上を教育に費やしています。)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(注1) 数学五輪;中国語では奥数。数学五輪は、国際数学オリンピック略称で、数学の問題を解く能力を競う毎年行われる高校生を対象とした国際大会である。日本ではあまり知られていないが、中国では奥数の勉強をターゲットとする塾や“部活”などのスクールや訓練クラスが数多くあり、参加者は高校生と中学生どころか小学生にまで広がっている。子供の奥数の勉強をサポートするために、親までも巻き込まれているのが実情だ。教育界に留まらない、大きな社会現象となり注目されている。
(注2)レゴブロックを使ったプログラミング。プログラミングの教材には、通常のパソコンのみで使うプログラミングの他に、ブロックを使ったロボットプログラミングというものがある。小学生のうちはレゴブロックを使ったロボットを作りながらプログラミングの概念を覚えたほうがわかりやすい、楽しくやれる、魅力的に見える、継続できる、面白味があるということで使われている。日本でもプログラミング教育が2020年から小学校から必修化される。